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Zimbabwe.NET 青年海外協力隊体験記
from アフリカ ジンバブエ
 ■ 経済の出来事 (Economies)

 2007年度、ジンバブエは世界で一番生活のしづらい国のうちの一つに挙げられてしまいました。インフレにより通貨の価値は月ごと、いや週ごと、いえいえ毎日下落しています。2007年6月末には政府がインフレ抑止のために、価格統制令を出しましたが、そのおかげで商品が表の市場から消えてしまいました。そして、いよいよ通貨の0(ゼロ)を6つ削除するデノミネーションが行われようとしています。

ジンバブエのお金 newインフレーション価格統制令デノミネーション(0の削除)


 ■ ジンバブエのお金
 ■ 現在流通している紙幣
 
 2008年3月20日現在、紙幣は全部で24種類あります。全部挙げると、1セント、5セント、10セント、50セント、1ジンバブエドル(以下、ドル)、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル、500ドル、1,000ドル、5,000ドル、10,000ドル、50,000ドル、100,000ドル、200,000ドル、250,000ドル、750,000ドル、1,000,000ドル、5,000,000ドル、10,000,000ドルです。コインはありません。


↑1ジンバブエドル
裏面の絵がアフリカっぽい!



↑最高額紙幣の1千万ジンバブエドル
2008年1月18日の発給当時は、価値が約300円ありましたが、現在は25円(3月20日)


↑25という数字は珍しいのでは?



↑75という数字も珍しいのでは?
なぜかこの紙幣だけ、銀の帯が付いています

 世界のお金図鑑というサイトには、ほぼ全種類の紙幣が載っています。→ジンバブエ共和国


 ■ ジンバブエの紙幣はお金ではなくて、実は小切手!?

BEARER CHEQUE ジンバブエ紙幣のにはすべて、「BEARER CHEQUE」という文字が書かれています。日本語では「無記名小切手」といいます。
 また、中央には使用期限が書かれています。現在、使用期限が切れたベアラーは2008年7月31まで使用期間が延長されましたが、それらは、お金としての価値がまったくない紙屑同様です。
 「RESERVE BANK OF ZIMBABWE 」とはジンバブエ中央銀行のことで、日本の日銀のようにお金を発行している機関です。



 ■ 新紙幣が続々登場

政府がインフレの頃合を見計らい、新紙幣を発給してきました。
2007年8月1日 200,000ジンバブエドル札発給
2007年12月20日 250,000、500,000、750,000ジンバブエドル札発給
2008年1月18日 1,000,000、5,000,000、10,000,000ジンバブエドル札発給

 インフレが進行すると、高額紙幣の価値が非常に小さなものとなってしまい、買い物の時など分厚い札束を持ちあるかなければななりません。

 2007年12月中旬には、左の写真にある最高額紙幣(200,000ジンバブエドル)の価値が日本円で10円を切りました。スーパーでの買い物やレストランに行く時は、札束をポケット(入りきらないから)ではなくバックに入れて行きます。
←中華料理屋での清算時、6人分の現金





 ■ インフレーション


↑この写真にある紙幣の価値は、
2008年3月20日時点で約8,000円です。

 別のページで表示しています。

 ジンバブエのインフレーション ジンバブエのインフレーション




 ■ 価格統制令
 ■ 価格統制令までのインフレ経緯

 ジンバブエのインフレは2000年以前からありました。インフレ年率でいうと、2004年-624%、
2005年-586%、2006年-1281%、2007年5月末時点4530%でした。年率4530%というのは、一年前の物価が約45倍になったということです。しかし、これらの数字は政府統計局からの発表です。民間セクターの算出ですと、この数字とはかなり異なるようです。

 2007年5月末から6月に入った頃、急激にインフレが加速しました。6月の1ヶ月間だけで少なくとも物価が4倍になったことを確認しています。6月中旬から月末にかけては、さらにものすごい加速でした。毎日、通貨の下落がありました。午前と午後でも通貨価値が異なったそうです。


 ■ 価格統制令発表

 2007年6月26日、政府は指定する商品を指定する価格に固定するよう指示しました。新聞などでは価格統制(Price Control)といわれていますが、ムガベ大統領の発表では「すべての商品の価格を半額にするように」と言っていましたので、価格半減令とも言われています。

 価格統制の対象なったものは、ホテルの宿泊料金、レストランの食事料金といったサービス業での商品から、国内の輸送機関の運賃(飛行機、バス、コンビなど)、ガソリン、食品、日用品など市民生活に関するほぼすべての商品です。


 ■ その後、どうなったか?

 スーパーなどは最初、警察の出方をうかがっていました。しかし、翌7月の最初に、政府決定の固定価格よりも商品を高く販売している理由で100名以上の商店主が警察に逮捕されたとニュースが報じました。直後、スーパーなどから主要食品と日用品が消えました。

 また、驚くことに販売側は在庫商品を倉庫に保管しておくだけで、「売れるはずの商品を隠した罪」で逮捕されるというのです。目を付けられているパンの製造元は逮捕を恐れ、泣く泣く少しパンを製造・販売(正規価格で)していたそうです。

 それでも、在庫を処分する商品や会社維持のために製造され続けている、商品などもあります。それらは、時々スーパーの店頭に正規価格で並ぶのですが、話を聞きつけた庶民が殺到するためいつも長蛇の列になります。僕も運良く(列に並ばず)それらの商品を買えたことがありましたが、かなり安くお得感がありました。

 表の市場が締め付けられると、裏の市場が賑わうようです。スーパーなど正規のお店で売られているものは、表の市場の商品です。逆に道端や友達づたい、登録されていないお店で売られているのが、裏市場の商品です。裏市場の商品の値段は高めですが、品物はなんでも揃うそうです。


↑ほとんどの商品が消えました
On mouse!!


 ■ スーパーの抵抗

 価格統制には統制商品リストに記載の商品が対象になります。それらの商品(日用品や食品)は国内で製造されている主力商品です。だから、統制商品リストにない商品は対象外なのです。ちなみに、野菜はリストにありませんので、いつも通り流通しています。

 小売であるスーパーは考えたようです。この状況下でお店のランニングコストを捻出するにはと。ある商店はやむなく店じまいしかありません。しかし、大手スーパーは何とかして経営を続けるために、統制商品リストにない商品を販売し始めたのです。これらの商品は南アフリカやボツワナなどの周辺国から輸入された商品です。もちろん、値段は以前より2〜4倍くらい高くなりました。だから、これらの商品を買える人というのは、お金持ちのジンバブエ人や僕達のような外国人のように非常に限られます。外国人が多く来客するスーパーには、お米やパスタ、お菓子、ジュース、ビールなど、かなり良い品揃えです。また、商品名を隠して(非表示で)販売している商品もありました。パンも一斤当たりが統制リストにあるため、形を丸くしたりバンズ(四角)にして、高く売られています。

商品名がない牛乳
↑商品名がない牛乳
どこで製造されたか分からないが、欲しい人は買うのです
販売側の警察対策です

 結局、インフレ抑止が目的の価格統制だったのですが効果はあったのでしょうか?

 インフレを抑止するには外貨消費してしまう輸入を減らしことが、第一に大切なようです。慢性的なインフレは外貨不足が大きな要因となっているためです。こういったことを見ていると、経済って自分の国だけで回すことは不可能なんだなと思いました。




 ■ デノミネーション
 ■ デノミネーション & 新紙幣発行

 11月21日、ジンバブエ中央銀行総裁が年内にデノミネーションをすると発表しました。10月にも「近々デノミネーションを行う」と発表していたのですが。現在、制度とATMなどの機械を準備中だそうです。発表でゴノ総裁は紙幣の0(ゼロ)をいくつ削除するかは言及しませんでしたが、ゼロを4つ削除がおおかたの予測です。

 去年2006年8月にデノミネーションを行っていますので、新紙幣はわずか一年足らずで使えなくなったことになります。今回のデノミで0(ゼロ)をまた4つ削除したら、前回と合わせ0(ゼロ)を7つ削除したことになります。2006年7月に1000万ジンバブエドル(10,000,000$)だったのが今回のデノミで1ジンバブエドルになるのです。

 今回は前回の教訓を踏まえ、インフレを加速させている要因を厳しく取締ると、ゴノ総裁は意気込んでいるそうです。しかし、インフレを止めることはかなり難しいようです。国内通貨の信用力がゼロに近いですので。

 次回の更新時は、この項目が埋まっているはずですのでご期待を!!

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
 とここまでは、前回更新分です。

 「次回の更新時は、この項目が埋まっているはずです」とちょっと自信満々に書いてしまったのですが、僕はやはり凡人でした。ジンバブエの将来の予測は難しいです。

 ある人が、ジンバブエにおいて先を見通すには「ゴノ総裁や政府高官に自分がなったと仮定して、どのように世の中を動かしたいか想像しないとダメだ」といっていましたが、そのことが非常に的を得たコメントだと思いました。どのように世の中を動かしたいか?この言葉には様々な思惑が含まれています。さて、どんな彼らの思い描く世の中とは、どの様なものでしょう?みなさんのご想像してみて下さい。

 最近はインフレで買い物の支払い時、紙幣がかなりの枚数になります。
左の写真は、ある中華料理屋で食事をした後の支払うお金(6人分)です。200,000$は最高紙幣です。払う方も大変ですが、紙幣を数える方も大変です。


 さて、0を4つ削除するデノミネーションは現在、おおかたの予測では、来年に持ち越しとの見方(ゴノさんは年内と言っていたのに)があります。あの12月1日(土曜日)または12月3(月曜日)ほとんどの人が、デノミネーションによる新通貨発給発表のニュースに息を呑んで待っていたことか。これらの日の前日には、レストランや商店が「明日の新通貨発給に向けて休業」していたくらいでした。このことはまさに噂が暴走し、その噂に踊らされた典型的な例でしょう。僕もお金を使いきっちゃおうと噂に踊らされた一人です。

 さてさて、ここまで来てしまったら、いつ発表があってもよくなってきました。一喜一憂するのもバカらしい。情報がない時というのは、様々な噂が飛び交うもので、今も噂が飛び交っています。信用できるのは、ゴノ総裁の発表の内容のみです。

 といっても、だいたいの動きに目途を立てたいのは人間のツネ?以下、噂を書きますので静観してみましょう。

・デノミネーションは12月17日に行われる。(ゴノさんがクリスマス前に現金不足が解消されるでしょうと発表したコメントを深読みした人が信じた→噂でした)
・デノミネーションは来年1月に行われる。
・デノミネーションは来年のどこかで行われる。
・デノミネーションは置いておいて、現在の通貨で高額紙幣(ベアラー)が新たに発給される(50万および100万ジンドル)


 それでは、次回の更新時は、この項目が埋まっているはずですのでご期待を!!




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