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Zimbabwe.NET 青年海外協力隊体験記
from アフリカ ジンバブエ
 ■ 世界のHIV/AIDSアンケート (HIV/AIDS Questionnaires in the World)

 このページでは世界各国(途上国)で活動しているエイズ対策隊員(関連職種隊員含む)のご協力を頂き、ある同じアンケートフォームに活動を通した体験や実感したことなどを元に、アンケートの回答をして頂いています。彼等が体験した実例やエピソードが回答の背景にある場合はそのことも記入されているので、それぞれの違った活動場所での「生の声」が聞けると思います。

アンケート回答HIV/AIDS関連用語の説明アンケートの背景と目的アンケート記入用紙

 ■ エイズ対策隊員(関連職種隊員含む)のアンケート回答
 ■ アフリカ地域  ■ 中米地域
  タンザニア (1人)   カリブ海域某国 (1人)
  ジンバブエ (6人)   ○○○○○○○○
  ○○○○○○○○   ○○○○○○○○
  ○○○○○○○○   ○○○○○○○○
 ※ カッコ内の人数は回答者数を表します。



 ■ HIV/AIDS関連用語の説明
 ■ はじめに
 アンケートはエイズ対策隊員(関連職種含む)が回答していますが、一般的な人にとっては難しい専門用語がいくつかあり、分かりづらいと思います。そこで、ドミニカ派遣のエイズ対策隊員KJさんの全面協力・編集でHIV/AIDS関連用語の説明を行いました。※以下には、性的な表現も含まれています。


 ■ 目 次
様々な感染症結核代表的な性病HIV/AIDSと医療ひと/組織いろいろな性別風俗/地域実際のエイズ対策Vulnerable People(ブルネラブル・ピープル)


 ■ 様々な感染症
| A型肝炎 | B型肝炎 | C型肝炎 | HPV | HIV | AIDS(エイズ) | いきなりエイズ |
 

  • A型肝炎(HAV)
    • A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。HAVは糞便中に排泄され、糞口感染で伝播するので、 患者の発生は衛生環境が良い場所では少ない。発熱や倦怠感、嘔吐や食欲不振が1〜2ヶ月続く。ワクチンは開発されている。
  • B型肝炎(HBV)
    • B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気。感染は主に性交渉や分娩により引き起こされる。微熱程度の発熱、食欲不振、全身倦怠感、悪心・嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感が症状である。B型肝炎を放置すると、病気が進行して、肝硬変、肝がんへ進展する場合があるので、注意が必要。ワクチンは開発されている。
  • C型肝炎(HCV)
    • C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって肝臓が炎症をおこす病気。現在我が国には150万人以上の、全世界には約1.7億人もの感染者が存在すると推定されている。感染経路には様々なものがあると言われており、輸血や針刺し事故、刺青なども報告されている。C型肝炎ウイルスに感染すると、約70%の人がC型肝炎ウイルスの持続感染者(C型肝炎ウイルスキャリア)となり、放置すると本人が気づかないうちに、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進展する場合があるので、注意が必要。現在、ワクチンの開発が盛んに行われている。※2008年、非加熱血液凝固製剤による感染における裁判で、日本国と感染者は和解した。
  • HPV(Human Papilloma Virus)
    • ヒト・パピローマウイルス(HPV)の感染はタイプによって疣(いぼ)、尖圭コンジローマ、陰茎癌、子宮頚癌、肛門癌を起こす。HPVは多くの人が特に性行為によって感染する。コンドーム使用も、完全に感染を防ぐものでは無いことに注意したい。それは、このHPVが健常な皮膚や粘膜を介してヒトに感染する可能性があるからである。ほとんどのHPV感染は一時的なもので免疫機構によって数年以内に排除されるが、持続感染によってわずかな人が癌に進行する。アメリカではワクチンは認可されており、日本への導入が期待されている。しばしば悪性となり、治療を困難とする。日本では年間約7.000人が感染して、3.000人余りが亡くなっている。
  • HIV(Human immunodeficiency virus)
    • ヒト免疫不全ウイルス。日本では1万3千人、世界ではアフリカ諸国を中心に4,000万人ほどの人々が感染している。
      • HIV-1 : 世界の大半を占めるHIVの大きなグループ。西アフリカやヨーロッパに一部あるのはもう一つの亜種でHIV-2型である。
      • HIV-2 : HIV-2型は西アフリカ地域と、交流が深いヨーロッパで発見される第2のHIVウイルス。アメリカでは数十人がみつかったが、いずれも西アフリカに関連がある人たちであった。
    • HIVステイタスとは、HIVウィルスに感染しているか否かの状態(陽性か陰性、Positive or Negative)をいう
  • AIDS(Acquired immunodeficiency syndrome)
    • HIVの感染によって起こるHIV感染症の末期状態を定義した言葉。免疫の力が低下して、健康な状態では到底かからない感染症(日和見感染症)にかかったり、悪性腫瘍(日和見腫瘍)が発生して、最後には死にいたることもある。
  • いきなりエイズ
    • HIVに感染したものの検査/診断を受けず、肺炎や結核を始め日和見感染症などを発症した状態となり、病院にて始めてAIDSと診断されること。病状が進んでいたり合併症を引き起こしていることもあり、治療が困難なこともある。その時点までHIVに感染していた事に気付かない。しばしば数年前のリスキーな行動が原因であったことが判明することがある。
      例として、
       ・38℃ほどの熱が近くの病院の受診後も2ヶ月ほど治まらず、大学病院へ。
         →HIV感染による重い肝機能障害。
       ・仕事中、少しの動作だけで呼吸困難となったことから病院へ。
         →HIV感染から、AIDS発症(特有の肺炎)。
       ・手足に赤い斑点が出来、ひどくなっていき、病院にて精密検査。
         →梅毒とHIVに感染。 
      など。


 ■ 結核(Tuberculosis)

  • 結核菌が起こす肺の病気の名前。結核は今なお,年間約3万人の新規患者が発生し,約2千3百人が亡くなるなど,わが国最大の感染症で,罹患率,死亡率は先進諸国の中で高い状況にある。感染源は喀痰が飛び散る(飛沫)ことで家庭内や集団発生が起こる。結核と診断されても病状の重い場合や、耐性菌でない限りは、強力な4種類の薬剤を6か月間、毎日確実に服薬すれば多くは治る。しかし不規則に服薬すると、再発したり、薬の効きにくい耐性菌結核になったりすることがある。確実に服薬してもらうために、直接服薬を確認する治療法(DOTS/ドッツ)が行われる。


 ■ 代表的な性病
 性病に感染している間は各肝炎やHIVに感染する確立が、皮膚粘膜の損傷などにより非常に高くなるので注意が必要である。自覚症状があまり出ない性病がある。
| クラミジア | 梅毒 | 淋病 | ヘルペス(性器) |
 

  • クラミジア
    • クラミジアによる感染症。感染後数週間で発症するが、無症状の場合もある。男性の場合は尿道から透明な膿が出る。痛みを伴う場合もある。女性の場合はおりものが増える事があるが、自覚症状はとぼしい。日本では1年間に約2万人の女性、1万5千人の男性患者の報告がなされている。
  • 梅毒
    • 感染後約3週間で発症する。リンパ節の腫れ、赤い斑点などが出る。治療しない限り体内に残り、最終的には死亡する。現代においては先進国では抗生物質の発達により、重大な症状に到達することはほとんどなく、死亡にまで至るケースは稀。
  • 淋病
    • 出産時に母子感染を起こす。性交や性交類似行為以外で感染することは稀である。極て稀に、大衆浴場などにおける感染もある。この場合、共用している椅子などに淋菌が付着し、感染することが多い。よって、性器が椅子に密着する女性に多いと考えられる。男性の場合は多くは排尿時や勃起時などに激しい痛みを伴う。女性の場合は数週間から数カ月も自覚症状がないことが多い。新生児は出産時に母体から感染する。両眼が侵されることが多く、早く治療しないと失明するおそれがある。抗生物質の投与で治癒する。
  • ヘルペス(性器)
    • 感染をすると、潜伏期(2日〜10日間)を経て水泡形成する。水疱はほどなく潰れ、潰瘍状になり色素沈着をし治る。この病気の特徴は痛みである。潰瘍そのものの痛みと神経痛の痛みを伴う。また患部近くの神経麻痺を起こす可能性があり、排尿障害や排便障害などの機能障害を来たすことがある。治療は可能であるが所属神経節に潜伏して発症を繰り返す場合もある。この場合は骨盤内陰部神経節に潜む。女性の場合には月経が来るたびに性器ヘルペスが発症し、精神的に追い込まれる者がいる。患者も医師も根気強い治療が必要である。


 ■ HIV/AIDSと医療
| 垂直感染(母子感染) | ARV | ジェネリック薬 |CD4 | HPV | HAART | PEP | Microbicide | 薬剤耐性 | ウィンドウ・ピリオド(無症候性キャリア) |
 

  • 垂直感染(母子感染)
    • 他人との性行為などによる接触における感染を水平感染と呼ぶ。それに対して母から子へと胎盤を通じての感染を垂直感染と呼ぶ。通常、HIVの垂直感染率は30〜40%といわれるが、妊産婦へのARVの処方と帝王切開、子どもへのARV入りシロップ投与(つまり母乳を他の栄養分に差し替える)、ことでその率は2%以下と劇的に下がった(20%ではない)。しかしながら、妊産婦検診率が低く、さらにARVの入手が困難なこと、医療技術者の不足など、多くの問題を抱える発展途上国においては今もなお、数多くのHIV陽性の新生児が誕生している。
  • ARV(Antiretroviral drugs)
    • ARVはHIVを第一とした感染症の治療薬である。通常3〜4種類のARVをそれぞれのHIVの進行状況で使用する療法はHighly Active Anti-Retroviral Therapy (HAART/ハート)と呼ばれている。HIVとAIDS治療における主な医療機関は、ARVが全ての感染者/患者に用いられることが望ましいとしているが、薬剤耐性や非常に強い副作用などの問題もあり、慎重な使用が求められている。
  • ジェネリック薬
    • 先発医薬品の特許満了後に、有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同じ医薬品として新たに申請され、製造・販売される安価な医薬品。また、製品によっては大きさ、味、においの改善、保存性の向上等、先発医薬品よりも工夫されたものもある。ジェネリック医薬品は、先発医薬品ちの品質的な違いは無い。その一方で、先発医薬品開発に10〜15年の歳月と数百億もの投資が必要といわれるのに対して、ジェネリック医薬品の開発期間は3年ほどという違いがある。そのため、価格も平均すると先発医薬品の約半額に抑えることが可能になっている。
    • 非常に高価といわれるARVにおいては、ジェネリック薬は各先発欧米製薬企業とブラジル、南アフリカやインドの相次いだ交渉/裁判を経て生産開始、比較的安価にて途上国のPLWHAに届くこととなった。
  • CD4
    • ヒトの体内を構成するある種の細胞は、外からの異物に対して抵抗力を持っている。この細胞をCD4と言い、さまざまな病気などから体を守っている。HIVはこの細胞を破壊する原因となり、CD4が減りHIVが体内で増加し続けると、やがてヒトの体は外敵からの進入に抗しきれなくなる(免疫力の低下)。ARVはこの進行を止めることが出来るのである。CD4の数値は計測することが出来、その値はHIV感染からAIDS発症における治療の目安とされる。
  • HAART(Highly Active Anti-Retroviral Therapy)
    • ARVの項を参照
  • PEP(Post-exposure prophylaxis)
    • (主にウイルスを感染源とした)感染症への被曝に対する緊急予防療法。HIVにおいてはARVをレイプや針刺し事故、そしてコンドーム無しのセックスや注射針の共有など感染が疑われるケースで用いられる。被曝の程度によるが、被曝後ただちに服用すれば効果は非常に高い。被曝後72時間を過ぎての使用については効果はかなり低くなることが確認されているので、医療関係者や関係者には心身のケアを含めた迅速にして適切な対応が必要とされる。
  • Microbicide
    • マイクロビサイドとは、性感染症やHIVからの感染を防ぐ殺菌剤を含んだ薬剤であり、通常はゲル、錠剤、スポンジ状のもので出来ており、膣や腸内に入れて使用する。現段階では有効なマイクロビサイドは確認されていないが、活発な研究・開発が進められている。ことにHIVに関しては多くの期待が寄せられている。
  • 薬剤耐性
    • 薬の処方を続けることで、体内のウイルスなどが耐性を持ちその薬が効き難くなってくること。そうなると、その薬の処方を改めざるを得ない。
  • ウィンドウ・ピリオド(無症候性キャリア)
    • 一般にHIVに感染すると風邪に似た症状(1〜2週間程度)が継続し、やがて治まる。その後、本人に自覚症状は無いのであるが、体内でのHIVはCD4細胞と一進一退の戦いを繰り広げながら、やがて時間をかけて着実に増加するようになる。その間を「ウィンドウ・ピリオド(無症候性キャリア)」と呼ぶ。この間には状況によりHIVが検知し難い状況にあることから、日本では概ね感染が疑われる行為から3ヶ月後の検査を薦めている。


 ■ ひと/組織
| ユーエヌエイズ | 疾病予防管理センター | GFATM | PLWHA | UNITAID | GNP+ | エイズ予防情報ネット | PEPFER |
 

  • UNAIDS(ユーエヌエイズ)
    • The Joint United Nations Programme on HIV and AIDS。UNAIDSの目的は各国の政府機関や民間の組織のHIV/AIDSにおける施策へのヘルプとサポートである。1994年に国際連合により設立され、1996年より運営が開始された国連の下部組織。運営資金はUNICEFやWHO、Worldbankなどの国連機関から拠出される。理事会は世界中から22の政府から代表者を、そして5名のNGO(当事者団体)からの代表を加えて構成され、世界のエイズ対策の中心を成している。
  • CDC(疾病予防管理センター)
    • The Centers for Disease Control and Prevention。アメリカ合衆国ジョージア州アトランタにあるアメリカ合衆国保健社会福祉省所管の感染症対策の総合研究所であり、感染症対策の権威。本センターより勧告される文書は、非常に多くの文献やデータの収集結果を元に作成、発表され、実際に日本やイギリス等でも活用されている。
  • GFATM(通称グローバル=ファンド)
    • The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaは2002年1月にHIV/AIDS、結核、マラリアに対して世界的な財源を 確保するために設立された、世界でも最大の資金を持つ、文字通りの『世界基金』である。本基金の特徴は、寄付を先進国政府のみならず、途上国政府、国際機関、企業・個人からも募ること、支援を受ける途上国ごとに国別調整機構(政府、二国間・多国間援助機関、NGO、学界、民間企業の代表、感染者等により構成)を設置して事業計画およびその提出がなされること、事業実施主体は公的セクター・民間セクターを問わないことなどである。何らかの支援を必要とする案件は事務局に提出され、技術審査パネルで審査され、承認、条件付き承認、再申請勧告、却下 の4つに分類して理事会に勧告される。2005年8月時点で、約50カ国の政府および民間から52億ドル(6240億円)の誓約がなされ、うち42億ドル(5040億円)が拠出されている。これまでに4回の案件募集・審査にて127カ国296案件が承認され、その内訳は疾病別にはエイズ56%、マラリア31%、結核13%、地域別にはサブサハラアフリカ61%、東・東南アジア・オセアニア18%、支援組織別には政府51%、NGO・地域組織25%、支出対象別には医薬品等49%、人材育成20%となっている。
  • PLWHA
    • HIV陽性者またはAIDS患者のこと。長い年月、差別や偏見と戦いながらも生きてきた彼らは自らの当事者集団を創り、また彼らをサポートする組織も社会に出来てきた。その過程において彼らは「HIVと共に生きるポジティブな人間」として「People living with HIV/AIDS」と自らを呼ぶこととした。それはともすれば「HIV/AIDS=死」とするネガティブなイメージの払拭の意味もある。
  • UNITAID(ユニットエイド)
    • 2004年に44カ国に賛同され、2006年に発足した世界における貧困・疾病対策のための世界的基金である。本部はスイス/ジュネーブのWHO(世界保健機構)内におく。 航空チケットの一部をその根幹的財源(航空券税)としている。現在(2008年1月)、フランス、イギリス、チリ、コートジヴォワール、コンゴ、韓国、マダガスカル、モーリシャス、ニジェールがこの税の導入を開始してUNITAIDに協賛。ノルウェイはCO2税(灯油から)の導入を検討している。ベナン、ブラジル、ブルキナファソ、カメルーンなど15カ国は税の導入を協議している。2007年度予算US$320M(384億円)から2009年にはUS$500M(600億円)の予算が見込まれている。 ※日本はUNITAIDについて議論を行っている段階である。
  • GNP+
    • The Global Network of People living with HIV and AIDSはすべてのPLWHAが参加している世界唯一のネットワークである。差別や偏見からの解放と自己決定を信条とし、GNP+は世界6地域それぞれのネットワークから構成されている。NAP+(アフリカ ), APN+ (アジア), CRN+ (カリビアン), GNP+Europe(ヨーロッパ), REDLa+(ラテンアメリカ)そしてGNP+NA(北アメリカ)である。日本ではJaNP+(ジャンププラス)である。それぞれの地域からの代表がGNP+の理事会を構成している。GNP+は「世界に生きるPLWHAにとって、どうすれば素晴らしい人生を歩めるのか」を与えてくれることを求めない。彼らは全ての人と同じく、彼ら自身の力で希望を獲得していくことに誇りをもち、力強く活動しているのである。
  • エイズ予防情報ネット
    • 一般国民に対し、エイズに関する予防/啓発情報、NGO活動などの情報を提供することにより、エイズ予防の一層の支援を図ることを目的に厚生労働省の委託事業として財団法人エイズ予防財団が実施している。世界や日本のHIV/AIDSの感染状況や各種イベントのお知らせなどを幅広く発信している。
  • PEPFER
    • 2003年、アメリカのジョージ=ブッシュ大統領は『The President's Emergency Plan for AIDS Relief (PEPFAR/Emergency Plan)』を2004年度から行うことを発表した。これは一種類の感染症に対して、そして一つの国が行うという意味では、かつてない規模の医療・保健分野における国際支援計画である。5年で15億米ドル(1、800億円)の資金により、さまざまな角度からHIV/AIDSの問題に対処していく。具体的には10億ドルを特定の15カ国のHIV/AIDS対策へ、4億ドルをその他の支援している国に、そして1億ドルをグローバル=ファンド(GFATM)へと支援している。さらにブッシュ大統領は5年の延長と30億ドル(3、600億円)の追加を決定。“Three Ones”と呼ばれる1、One National Plan(それぞれの国に独自の計画を) 2、One National Coodinating(それぞれの国に独自の中枢機関を) 3、One National Monitoring and Evaluation system(それぞれの国に独自の業績評価/測定機関を)という原則に基づいてHIV/AIDSの問題へと対処していく。


 ■ いろいろな性別 “LBGT” (ここで述べる愛とは性愛のことである)
|ホモ・フォビア | ジェンダー | トランスジェンダー |バイセクシャル | ヘテロセクシャル | ホモセクシャル | ゲイ | レズビアン |
 

  • ジェンダー
    • ジェンダーとは一般的に男性と女性の違いを指す。ブリタニカ大辞典によればジェンダーとは『自分自身が認識している男女としての存在であり、生まれつきの性差ではない』としている。つまり、生物学上の雄/雌では無く、社会生活を営む上での性別差であると言える。
  • トランスジェンダー
    • 分娩時に男性/女性として生まれたが、それぞれ逆の性別を自分で認識するようになった人のことを指す
  • バイセクシャル
    • 男性/女性にとらわれずに両性を愛する人のことを指す。
  • ヘテロセクシャル
    • 男性/女性に対して自分と異性の人を愛する人のことを指す。
  • ホモセクシャル
    • 男性/女性に対して自分と同性を愛する人のことを指す。日本ではかつて男性として男性を愛する人のことをホモセクシャルと呼んでいた。
  • ゲイ
    • 男性として男性を愛する人のことを指す。
  • レズビアン
    • 女性として女性を愛する人のことを指す。


 ■ 風俗/地域
| ホモ・フォビア | ソドミー法 | 割礼 | ANAL SEX | ORAL SEX | DRY SEX | 女性用コンドーム | デンタル・ダム | ワールド・エイズ・デー | 神様もう少しだけ | NDIMAKUKHONDA (ディマクコンダ) | “Never Give Up 〜あきらめないで〜” |
 

  • ホモ・フォビア
    • ホモ・フォビアとはホモ・セクシャル、またはその行為に対する差別や嫌悪を指す。時には精神的/肉体的な暴行へと発展し、過去にはこれらの方々に対する集団暴行やレイプ、殺人にまで発展した事件もある。日本ではかつて、公園にいたゲイの男性を少年グループが『ホモ狩り』と称して次々と襲撃、死亡させた事件がある。
  • ソドミー法
    • ソドミー法は特定の性行為を違憲であるとする法律である。法律上において厳密な言葉の定義は無いが、出産に直結しない性行為の違法性を説いている。これは異性間でのオーラルセックス、アナルセックスやマスターベーション、そして特に男性間のアナルセックスと解釈される。宗教上の解釈に則ったこの法律の起源は古い。現代でも『人口の減少につながる』という解釈において、このような性行為やホモセクシャルは違法であるとする有識者は多い。現在、ソドミー法は195カ国のうち、70カ国で実施されている。そのうち、40カ国は男性間のアナルセックスのみを違法とし、20世紀後半よりこの数は減少している。例えばマイアミのあるフロリダ州では全てのソドミー行為に対して60日間の懲役/禁固もしくは$US500(6万円)の罰則を用いている。
  • 割礼
    • 男性
      • 男性の割礼とは、ペニスの先端包皮を切り取ることである。古代エジプトの壁画にも描かれており、宗教的意味合いを含めている。中東やアメリカ合衆国、一部のアフリカ諸国やアジアで行われている。2005〜6年にウガンダとケニア、サウスアフリカでアメリカとフランスが行った調査では割礼がHIV感染に対して有効であることが科学的調査により伝えられた。2007年にはUNAIDSとWHOはその事実を認めたが、しかし、だからといって割礼がHIV感染率を押し下げる要因とはならないと定義付けている。それはこの調査があくまで一部の地域での結果であり、かつ、男性には効果があったとしても女性には効果が低いと考えられるためである。割礼は性感染症に対して有効であるとは定義されていないが、ペニスの癌やある種の炎症に対して有効であることが示され、学会などで議論されている。
    • 女性
      • 女性器切除と呼び、男性の割礼とは一線を画す。女性器の一部を宗教的な意味、そして地域の慣習から切り取ることであり、医学的な意味は全く含まない。女性器切除はアフリカ/インドネシア/中東の特定の地域をはじめ世界の多くの地域で行われている。WHOをはじめとする各保健機構は近年、これを中止するように勧告しているが上記の理由などから続けられている地域が多い。具体的にはクリトリスの包皮、またはそのものを、そして小陰唇もしくは大陰唇まで切除の後に排尿のための小穴を残して縫合するまでカテゴリー1〜4までWHOで定義されている。
  • ANAL SEX
    • 肛門を用いた性交である。肛門は排泄を司る器官であるため、ゆえに挿入に適した分泌液などはない。したがって、その粘膜はデリケートに出来ており、非常に傷つきやすい。妊娠の可能性が無いことから、コンドームを使用しないケースがある。アナルセックスにおいては清潔を重んじること、無防備な性交は出来るだけ避けること、充分で適格な潤滑液を用いることが望ましい。各種の肝炎や性感染症、HIVなどに感染するおそれがあるためである。
  • ORAL SEX
    • 口腔を用いた性交。オーラルセックスとは、歯や唇や舌や口腔を駆使して行う性行為全般のことである。これは、男性器を口腔などで愛撫するフェラチオ・イラマチオ、女性器を口唇などで愛撫するクンニリングス、肛門を口腔などで愛撫するアニリングス、また同時に相互の性器を口で愛撫しあうシックスナインなどがある。歯科治療時や口腔内に疾患がある場合については相手の体液に直接、接触するので、性行為感染症に感染する危険が伴う。また、肝炎やHIV感染のリスクもある。日本では1990年代以降から性病の広がりは爆発的な勢いを見せているが、オーラルセックスによって咽頭部分に淋病が感染し、風邪に似た諸症状を訴えて通院するケースも報告されている(淋菌性咽頭炎)。淋菌感染者の体液が誤って眼に入った場合は淋菌性眼炎となり、抗生物質の無い時代は失明の原因ともなった。またクラミジアの混合感染も多い。
  • DRY SEX
    • ドライ・セックスとは膣分泌液が充分では無い状況にて、またはそれを乾燥/除去した上で行う性行為のことである。サハラ砂漠以南のアフリカの一部では、これが男性にとっては非常に気持ちが良い性行為であると考えられている地域もあり、ドライ・セックスが行われている。膣/ペニス粘膜の損傷やコンドームの破損、無使用などから、HIV感染が拡大する要因の一つとして考えられている。当然ながら女性にとっては非常な苦痛を伴う。
  • 女性用コンドーム
    • 女性の膣内に装着して使用する。日本ではかつて販売されていたが、売り上げの悪さから生産中止となっている。編集者が2006年の2月にメーカーに直接に注文を依頼したところ、生産中止という返答であった。輸入はされているらしい。
  • デンタル・ダム
    • 日本ではまだ一般的とは言えないが、薄いフィルムを女性器や肛門に被せてオーラルセックス時の各種感染症を防ぐ。入手が困難な人や気になる人などは調理用のフィルムで代用している人もいる。ただし、レンジ加熱用のフィルムは気孔が大きく、ウイルスや菌を通すことがあるので注意が必要だ。
  • ワールド・エイズ・デー
    • 1988年に、WHO(世界保健機構)は12月1日をワールド・エイズ・デーに決定した。それ以来、毎年この日には世界中でHIV/AIDSに関するイベントが開催される。日本ではこの時期に『RED RIBBON LIVE』が開催され、著名なアーティストが出演している。また、各自治体や民間においても様々なイベントが開かれる。
  • 神様もう少しだけ
    • 1998年にフジテレビで放映されたTVドラマであり、高視聴率を記録した。援助交際が元でHIVに感染した女子高生と人気音楽プロデューサーの恋の物語。高校生はコンサートに行く為のお金欲しさに援助交際をしてしまい、その援助交際でHIV感染、その後の妊娠と出産、プロデューサーへの告知などを描いている。 出演は深田恭子さん、金城武さん。
  • NDIMAKUKHONDA(ディマクコンダ)
    • 青年海外協力隊/村落開発普及員であった山田耕平さんは、アフリカのマラウィ国へと派遣された。そこで彼が見たものは数多くのHIV感染者/AIDS患者の方々の姿だった。 彼は任地の人々への想いを歌に託し、そしてマラウィの言葉で歌い続けた。これは現地でも評判を呼び、やがて同国のヒットチャートNo.1となる。日本でもこの曲は大きな反響を呼び、ソニー・ミュージック社からCD化され、入手が出来る。なお、ビデオクリップの撮影は青年海外協力隊の視聴覚隊員が担当、現地の人気ミュージシャンが演奏している。出演は現地の大学生である。ぜひ、聴いてほしい(編集者KJ)
  • “Never Give Up 〜あきらめないで〜”
    • NHKインターナショナルがインターネットで世界に発信するエイズ啓発のアニメーション、約10分。 製作は日本を代表するアニメ・プロダクション、主題歌は世界的な歌手ユッスー・ンドゥールさんが歌う。 内容:アフリカのある美しい村で、幸せに暮らしていた少女の家族をエイズが襲います。ひとりぼっちになった少女は、村人からも疎まれ、生きる希望を失ってしまいます。そこへ、陽気な一団が現れ、少女を励まし、エイズに偏見を持つ村人たちに一人の女性を引き合わせます。HIVに感染しても強く生きる彼女の話を聞いた村人たちは、少女への態度やエイズへの偏見を改め、少女は、エイズに負けずに生き抜こうと決意します(UNICEFより引用)。 <http://www.unicef.or.jp/osirase/back2007/0703_01.htm>


 ■ 実際のエイズ対策
| ABC教育 | BCC(行動変容) | Safer Sex(セイファー・セックス) | PMTCT | Universal Access | MDGs | 3 by 5 | Harm Reduction | VCT |
 

  • ABC教育
    • Abstain (禁欲)、Be Faithful (二人以上のパートナーと同時にお付き合いしない)、Use a Condom(コンドームを使おう)といういわゆるABC教育は、HIVや性感染症などを市民に啓発するために多くの国で行われているが、現状に即していないとの批判もある。
  • BCC(行動変容)
    • BCC(Behavior Change Communication)とは、近年の医療/保健対策のなかで中核を成する概念である。リスキーな状況下にある者や地域に対しる開発を行う上で、多くの資本を投入する従来のやり方では無く、様々な教材を用いて人間の行動自体を変えていくことを目指す。個人や組織の行動が社会環境にどのような影響を与えるのか、を対象とする集団に考えてもらうことでその行動の変化を狙う。例えば、BCCを用いたエイズ対策では、「コンドームの配布個数」よりも、「コンドームの使用率」に主眼が置かれる。
  • Safer Sex(セイファー・セックス)
    • セイファー・セックスとは性感染症やHIVにおける感染のリスク、望まない妊娠を減らすために、コンドームの積極的使用や他の手段を通じて安全なセックスをしようとする概念である。『Safer Sex』はより安全なセックスを提案していることでハーム・リダクション効果を狙っている。ただし、地域によってはコンドームの使用を積極的に推薦することについて議論が絶えない。
  • PMTCT
    • Prevention of Mother-To-Child Transmission. 垂直感染に対する感染予防を指す。妊産婦検診から、母体へのARV薬処方、帝王切開による出産、子どもへのARV薬投与、母乳哺育の禁止(人工乳での授乳)というステップを取る。途上国においては
       ・妊産婦検診率が低い
       ・ARVが高価格/入手困難である
         →新生児におけるHIV感染の場合、ARV無しでは3歳までに約50%が死亡している
       ・人工乳を作る際に必要な清潔な水が手に入らない
         →アフリカのボツワナ国では粉ミルクを溶いた水により、子ども達が集団下痢
           となり、逆に多くの子ども達が命を失った
      などのことが課題としてあげられている。
  • Universal Access
    • ユニバーサル・アクセスとは、全ての人間がその社会的地位や人種などの要因に関わらず、同じモノやサービスに対して等しい機会を持つ、ということである。HIV/AIDSの領域では主にARVについて、これが先進国に比べ途上国では入手が困難な地域があることを指す。
  • MDGs
    • ミレニアム開発目標とは、2000年に国連が定めた、2015年までの達成が求められる8つの目標である。その一つにHIV/AIDSの項目がある。
      • HIV/AIDSの蔓延を2015年までに食い止め、その後減少させる。
      • HIV/AIDS、マラリアや他の感染者数を減少させる
  • 3 by 5
    • 3 by 5 とは、2003年にUNAIDSとWHOによって提唱された、『現在、中/低所得国に暮らすARVが必要な3百万人のPLWHAに、2005までにこれを届ける』という構想であり、ユニバーサル・アクセスに向けての計画であった。達成度に関しては十分とは言えなかったが、これによりARVが急速にアフリカをはじめとする途上国地域に広まることになった。
  • Harm Reduction
    • ハーム・リダクションとは、保健衛生分野において、リスキーな生活習慣に対して、代替的な手段を用いることにより人がこれより健全な生活を維持出来るような手段を示すことである。一般的にリスキーなセックス、売春/援助交際や麻薬注射などに対して行われる。 例えばCSW行為や青少年のセックスに対して、これを厳密に禁止するのではなく、逆に無料のコンドームを充分に配布してSTI(性感染症)やHIV感染のリスクを下げるプログラムはハーム・リダクション・プログラムと言える。また、『注射器交換プログラム』が効果をあげ、多くの地域に導入された。IDUにおいては、その行為が違法であることで注射器の入手が比較的難しいことなどから、一つの注射器を複数で使用することがある。そこでは各肝炎やHIV感染のリスクを減らすため、無料にて新品の注射器(針)と使用済みの注射器(針)を匿名にて交換するHIV感染予防プログラムが実施され、効果は高いといわれる。
  • VCT
    • HIV/AIDSにおけるVoluntary Counseling and Testing (VCT)とは、一般的に@プレ=テスト=カウンセリング(テスト前カウンセリング)とA(即日検査であれば)結果通知、そしてBポスト=テスト=カウンセリング(テスト後カウンセリング)から成る。これらのカウンセリングは主にHIVへの感染、病気(症候群)としてのAIDS、そして理想的な行動変容の3つを主眼としている。多くの国や地域においては無料/格安にて検査が受けられる。人権に配慮し、HIVに関しては行政などが強制的に検査を市民に施すことは無い。従ってあくまで自発的(Voluntary)な検査が行われている。


 ■ Vulnerable People(ブルネラブル・ピープル)
 IDUやMSM、CSWをはじめ、知識が少ない子ども達や女性に関してはその性質上、HIV感染に曝される可能性が高い。そこで現代のエイズ対策ではこれらVulnerable(傷つきやすい/脆弱な)な集団に対して集中的に啓発活動が行われている。
| IDU | MSM | CSW |
 

  • IDU
    • Injection Drug User:注射による麻薬使用を行う人たちを指す。注射針に付着、または針や筒内に残った血液により各種感染症に罹るリスクは非常に高い。
  • MSM
    • Men who have Sex with Men::男性と性交渉を持つ男性のこと。アナルセックスによる感染のリスクから、HIVに感染する人も多い。
  • CSW
    • Commercial Sex Worker:他人との性交渉を自らの職業とする人。不特定多数の人と性交渉を持つことが多いことから、HIV感染のリスクは高い。売春婦/夫。



 ■ アンケートについて
 ■ アンケートを集め掲載しようとした背景

 私が始めてHIVに対して強い関心を持ったのは、日本のNTCにおける協力隊の訓練中でした。HIV抗体検査、座学、エイズ対策隊員達のワークショップ、また、ジンバブエの高いHIV感染率(約20%と聞かされた)、これらがきっかけでHIVというものを身近に感じました。現在、「HIV/AIDSというかなり複雑で難しい問題」が世界で、もちろん日本でも大変な脅威を振るっていると思います。しかし、僕もそうであったように「脅威を脅威として感じる」には、HIVのことを「知る」とか「身近に感じる」というプロセスが必要であったと、今までの経験から学びました。

 もっといろいろなことを知ろうと思い、ジンバブエにいるエイズ対策隊員の人達にアンケート(初期の)をお願いしまして、その結果をウェブサイトに載せていました。まもなく、ウェブサイトの「ジンバブエエイズ対策隊員のアンケート回答」を見た方(他国のエイズ対策隊員)からメールで感想を頂きました。アンケート回答には、ジンバブエのHIVの実情・対策はもちろんのこと、HIVに対する人々の見方や考え方などの違いが表れていて大変参考になったと言われました。こういったことは、今起こっている現場の状況を伝えることができるエイズ対策隊員達の生の声であるが故に表れたのだとその時思いました。

 知っての通り日本で生活している大多数の人達は、HIVについて「身近に感じる」という機会がほとんどないのが現状です。日本のHIVは決して対岸の火ではないと思います。また、こういう言い方は大変「語弊」があるかもしれませんが、日本の将来の姿が各国各地域に存在しているかもしれません。各地(各国)で活動しているエイズ対策隊員が回答したアンケートを通して、これらの人達がHIVについての「何か=関心」や「問題の多様性」を感じてもらえたら良いと考えています。

 また、集まったデータ(アンケート)はウェブサイト上に常にあるため、エイズ対策隊員などが自由にダウンロードして今後の活動の参考になったら、良いと考えています。


 ■ 連絡して下さい

 エイズ対策隊員の方々に記入していただいたアンケートは非常に有用なデータであり、たくさんの人にこれらのアンケートを見てもらいたいと思っています。私も任期に限りがありますし、ここだけのサイトよりは複数のサイトで掲載されていた方が、多くの人の目に触れると思います。

 そこでエイズ対策隊員もしくはコンピューター隊員の方で、これらのデータが管理でき、サイトに掲載しても良いとお考えの方がいましたら、是非、あなたのウェブサイトにアンケート結果を掲載して欲しいです。



 ■ アンケート記入用紙
 ■ アンケートフォーム

 エイズ対策隊員(関連職種隊員含む)にお願いする
&#アンケートフォーム アンケートフォーム(最新版)

 アンケートに関心があるエイズ対策隊員の方は、連絡下さい。ここから、データをダウンロードできない場合は、直接メールで別ファイルを送付します。

 ご協力よろしくお願いします。








 

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